エキスパート資格者インタビューvol.01

株式会社タナベハウス 代表取締役 木村 勝次さん

「エキスバート資格者制度」第1号として、田辺支部所属の株式会社タナベハウスの木村勝次さんに、広報啓発委員会の岩端委員長と児玉委員が、お話を伺いました。(令和2年8月)

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__三つの資格を取られた動機は何ですか?

動機は二つです。ひとつは、わたしがやっている宅建業にこれらの資格を活かそうということと、もうひとつは、宅建協会の活動に活かしていきたいということです。
協会の役員として、会員の皆さんに資格取得をお薦めするには、まずは自分が資格を取得して、有益性や内容を確認してからでないと、お勧めしにくいということもありました。
また、流通政策委員会を担当しているので、この三つの資格は流通政策に直結するような内容が多く、空き家対策、空き家バンク、和み暮らし、セーフティネットの対策を検討する等、行政との連携事業も多く、日々、対応を求められます。不動産流通の専門家として幅広い知識等が要求されるので、2年前から勉強して2年間で取得しました。
まず初めに宅建マイスター、次に賃貸不動産経営管理士、最後に公認不動産コンサルティングマスターの順で取りました。宅建協会の役割のために取得した部分もありましたが、もちろん自身の研鑽、本業にも繋がっています。

__三つの中で何が一番難しかったですか?

難しさというか、幅広さでいうと不動産コンサルティングマスターは相当幅広く勉強しました。
試験科目が本業の不動産だけではなく、税務や経済の科目もあります。受験資格も宅地建物取引士・不動産鑑定士・一級建築士の三士にしか与えられてない資格であり、コンサルティング業の本質である”後先を考えて本当の問題を発見し、物事の提案、解決に導くこと”を積み重ねることによって、顧客の信頼が増し新たな取引のチャンス獲得にも繋がると思います。
反対に、宅建マイスターは、幅広くではなくて奥深いので、深みのあるところを理解出来るように勉強しました。的確な重要事項説明が出来る!!更に、通常では気付かないような、あらゆる潜在的リスクを見抜く能力が身につく!!また、試験合格者のアンケートによると部下の取引士を指導、教育するために大変役に立ったと聞いています。
また、賃貸不動産経営管理士の勉強では、専門業務以外に賃貸不動産の管理業務に関し、新たな業態や経営に関して幅広いニーズが増えてきていることが分かりました。今年の6月12日に賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律が制定されたことも、この資格が今後益々必要不可欠とされている証しだと思います。国家資格化されるのも遠くないと思うので、是非とも今のうちに取得されることをお勧めします。

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__役に立っている資格はどれですか?

公認不動産コンサルティングマスターと、宅建マイスターは両方同じように役に立っています。空き地や空き家に関する相談、媒介依頼からの相続相談が起こる中で、不動産を売りたい、買いたい、貸したい、借りたいといった要望に応える業務は宅建業の範疇ですが、相続した士地に収益物件を建てたい、サーピス付き高齢者施設などの住まいの在り方に応える為、解決策や改善策を提案する業務が不動産コンサルティングであり、幅広い対応が出来るようになりました。
また、宅建マイスターは高い倫理性や行為規範を有していること、リスクの可能性を明らかにする能力、緻密かつ丁寧な調査を行う能力を学んだので、的確な重要事項説明をするのに、実務と直結してすごく役に立っています。
賃貸管理業界は、賃貸住宅の増加と、オーナーの高齢化により管理業者の数も増え、市場が大きく活性化している反面、トラブルも増加し、特にサブリース業者について社会問題となっています。また、和歌山県は全国においても空き家率実質ワースト1位であり、劣化事象の多い築古物件を取り扱うには、躊躇する場面も想定されますが、しっかり調査を行い、これからの時代に合った利活用の提案をすることによって新たなビジネスチャンスを引き出せると思っています。

__三つの資格をとって変化したことはありますか?

変化したことは、今60歳を迎え本当の意味でのコンサルティング業務を本業で始めようと思ったことです。仲介や売買は自分の会社だけでするのではなく、例えば和歌山市の案件は、和歌山支部の会員さんにお願いするというような、県下どこの物件でもハトマークのネットワークを活かして現地の会員さんと連携しながら、依頼者の役に立てるような仕事がしたいと考えています。

__資格をとって見えてきたことは何でしょうか?

今まで通りの不動産業ではやっていけないと感じています。
田辺エリアから若い人達は和歌山市や県外に出て行って、超高齢化社会を迎えるマーケットになりつつあります。売り手がいっぱい出てきて買い手がないという状況です。
和歌山市も近畿の中でみたら同じ構図です。そんな中で10年20年30年と会社を伸ばしていこう、維持していこうと思ったら、今まで通りの考え方で仲介します、管理します、売買しますでは、売上が伸びません。じゃあどこで売上を求めるのかといったら、日本全国これから発生する相続だと思うんです。70代の人が持っている財産といったら現金と証券が1割2割で、後はほぼ不動産。これが今後20年間で大量に相続や認知症問題が発生し物件が増えてくる。それを誰が解決するのか??私は、それこそがコンサルティングができる宅建業者だと思っています。具体的に言えば『〇〇さんに頼めば相続、認知相談から不動産の処理まで全部きれいに解決してくれたよ』という形が理想だと思っています。お客さまからコンサル業の依頼を受け、その先に宅建業や管理業という本業に繋がっていく、そんな時代がこれから始まるのではないでしょうか。
今回、不動産コンサルティングマスターや、宅建マイスターを通じ、奥深く幅広く勉強したことによって、今まで見えていなかった角度から時代背景や和歌山県のマーケットを分析することで新たな気付きが沢山ありました。

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